大手ハウスメーカーのブランド力 [ハウスメーカー選び]
ネットで情報を集めていると、大手H.M.はモデルハウス建築・維持費や、営業マンの報酬、広告宣伝費が負担となり、住宅の価格競争に対応できないと書かれているのを良く目にします。確かにそのとおりだと思いますが、価格差の要因はそれだけではないと思います。
1枚100円のTシャツにロゴマークを1つつけただけで10,000円で売れるようになるため、「ブランド」を確立することは企業経営の一つの目標となります。住宅業界でもこれまでの努力によって「ブランド」を確立した大手H.M.が存在し、同程度の家だったら多少高くても、消費者は大手H.M.で建築することを選ぶ率が高くなります。ファッションの世界ではデザイン性が差別化の要因ですが、住宅建築では機能性が重視されるので、大手H.M.は「ブランド」を維持していくためにオリジナリティーの高い工法等を日々開発し、差別化を図るための相当の努力をしているはずです(モデルハウスや宣伝もその一環)。
一方で、日本の住宅価格は欧米と比べて割高だと言われています。これは多分に土地が高価なためなのですが、それ以外にもコスト構造に問題があります。日本の建築業界は施主と契約したHMから、下請け、さらに孫請けに仕事が廻され、それぞれに中間マージンが発生しているので公共事業同様、どうしても高価になります。それぞれが十分な請負費で仕事を受注していればよいのですが、価格競争にさらされると、それぞれの段階で業者は利益を上げるためには、如何に下請けや孫請けに安く仕事をさせるかに腐心します。その際、最も割を食うのは最下層に位置する施工業者や大工等で、手抜きの動機となります。手抜きをされるとクレームがつくので、大手H.M.は極端な下請け叩きは出来ません。また、「あの・・・ハウスがこんな材料を使用していた」等の評判も避けたいので、材料費カットもままなりません。また、大手H.M.は利ざやの大きい高級品を志向する層も顧客にしていることもあり、ブランドイメージを傷つける訳にはいきません。これらのブランド維持費も価格を高くしている要因だと思います。
それでは大手H.M.のブランドイメージって貨幣換算するとどの程度なのでしょうか。例えば全く同じ2つの家で、片や「大手H.M.製」、こなた「ローコストH.M.製」で、近所にもその評判が広がるとします。価格が同じなら殆どの人が大手H.M.製を選ぶでしょうが、いくらまでなら大手H.M.製に余計に出せるのか。人それぞれのこの価格がブランドイメージの価値となります。
これに加えて、大手H.M.は大抵独自の工法を採用しています。また、デザイン・間取りを考える設計士が付くので、比較的垢抜けたものになるでしょう。これらのハード・ソフト的な付加価値も考慮に入れるべきです。
同じ延べ床面積で、「ブランドイメージ」、「高級住宅にも採用されている工法」、「デザイン性」にどれ程の付加価値を感じるかが、「見えない価値」の価格差となります(デザインは見えますが)。人それぞれでしょうが、決して0円ではなく、かといって1000万円も差が付いたら、
「そんなものいらない」 ( ̄へ ̄)
という人も多く出てくるでしょう。よくローコストH.M.と大手H.M.を比較して、「大手より500万円安い」とか書いているのを見かけますが、正確には「大手だったらあと200万円は出すが、500万円の差だったので、自分としては300万円分ローコストの方が安いと思った」ということだと思います。尤もその300万円は実質600万円になったりするのですが・・・(詳しくは 家賃払うより建てた方が得なんてウソウソ をご参照ください)
ローコストH.M.はそもそも「ブランド」がありませんから、性能対価格比のみを売りにして攻勢に出られます。ターゲットを比較的低価格層(かっぱもこの層にいるのですが)に絞り、必要最低限までコストを落とします。昔は「ただ安いだけ」の住宅だったため、安い住宅が必要な層しか顧客になりませんでしたが、最近の商品ラインアップを見ると、「安いだけ」から脱却し、地元工務店、中堅ビルダーだけでなく、大手H.M.の顧客の一部まで取り込もうとしているように見えます。これらと比較され、顧客を勝ち取るにはどうしたら良いでしょうか。それは「安かろう悪かろう」ではないという意識(または「安かろう悪かろう」と言われたときに反論できる論拠)を顧客に持たせることです。そうすれば価格差+αと「見えない価値」の見合いとなり、価格差が大きければ顧客を勝ち取ることができます。
ではどうしたら「安かろう悪かろう」ではないという意識を顧客に持たせることが出来るのでしょうか。
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