ローコストハウスメーカーの戦略 [ハウスメーカー選び]
ローコストH.M.がどうすれば地元工務店、中堅ビルダー、大手H.Mとの競合に打ち勝って顧客を獲得できるのか。ローコストH.M.の戦略を分析してみました。因みにローコストH.M.をどう定義するかですが、坪単価40万円未満の企画(パッケージ化された)住宅を販売しているメーカーを想定します。
1.激安坪単価で釣る
まず顧客に振り向いてもらえないと話になりませんから、可能な限り低い金額を提示して釣ります。当然チラシの坪単価で普通の家は建ちません。バルコニーやポーチ等も坪数に含め、単価を低く表示します。
2(1).標準で付いてくる設備を豪華にする
これも顧客の喰い付きを良くするために、一般的な顧客が最も欲しがる幾つかの設備のグレードを上げ、標準添付とします。これは建築後、「うちは建築費は安かったのにキッチンは他よりも豪華で得をした」等と顧客に思わせ、満足度を上げる効果もあります。そのために「豪華さが目に見える」必要があり、防犯クレセントや面格子、断熱サッシなどより、キッチン、ユニットバスなどが対象になります。
2(2).オリジナル性を売りにする
装備の豪華さで競わず、ローコストなりに特色を出し、それを売りにします。高性能な外壁材を使用したり、特殊な基礎や床暖房を設置したりして差別化を図ります。
3.見えない部分は徹底的にコストを削減するが、よく比較される箇所については仕様を落とさない
安くて装備もいいけど本体は大丈夫?という問に対して、反論材料を用意しておきます。最も比較されるのは基礎形状、柱の太さ、土台の材質等で、そこだけは比較に耐えられるものを使います(見えない部分もそれなりの材を使用している場合も多いと思いますが、購買者の心構えとして・・・)。
4.追加のオプションで利益を得る
豪華装備を謳って宣伝している装備品以外はグレードの低い物を使い、高額なオプション料金を設定し、利益の少ない本体部分を補います。顧客は「本体価格が安いのだから」とか、「ローコストH.M.らしくない家にしたい」とかで結構な額のオプションを追加します。ブログやHPで時折紹介されているローコストH.M.のオプション料金は、仕入れ原価を考えると驚くほど高い(標準品との差額ではなく、標準品を捨てて新たに購入する価格よりさらに高い)ことがあります。
5.建築本体以外の費用(諸経費)を高額に設定する
諸経費を坪単価に含めずに表示すれば、ここから利益を得ることができます。
6.それでも建築総費用は大手H.M.より低くなるように設定する
これは重要なところで、「諸費用とかオプションとか結構いっちゃたけど、まだ大手H.M.より○百万円安かった」と顧客に納得してもらわなければなりません。ローコストH.M.も慈善事業をしている訳ではありませんので、商品を出来るだけ高く売りたいのですが、総額が大手のそれに近くなってしまっては、工法・デザイン・ブランドイメージ等の差で顧客が離れてしまいます。これらを補って余りある価格差(五百万円以上でしょうか)に総額が落ち着くことが求められます。
顧客満足度をどの程度重視するかは、メーカー(FCでは工務店)によって異なります。永くこの業界でやっていくつもりであれば、「次の顧客を獲得するのに支障にならない程度」に、今の顧客を満足させなければなりません。そうでなければクレームや評判によって業績を維持していくことができなくなります。反対に、「稼げるだけ稼ぐ」というスタンスもあるでしょう。激安広告によって顧客を集めるだけ集め、コストを極力落として施工、クレームが出てきたところで倒産、別会社設立という事例もあるようで、H.M.を選ぶにあたってはその辺りを見極めて、前者のH.M.を選ばなければなりません。
いろいろ書きましたが、ローコストH.M.が良くないという意味では全くありません。このような相手の戦略を知って対処すれば良いのです。
もう一つ、ローコストH.M.は、宣伝されているような材料や豪華設備を使用しながら、どうして大手H.M.より安く販売できるのでしょうか。
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